About addiction依存症について

薬で困っている方へ
違法薬物と言われる薬、病院で処方される薬(睡眠薬、抗不安薬、鎮痛剤など)、市販されている薬(咳止め薬、風邪薬、痛み止めなど)で問題を抱えていませんか?
問題はさまざまな形で現れます。
体を壊してしまった、薬のことで大事な人間関係が壊れてしまった、生活すること自体がままならなくなってきたなどなど。
薬物依存症という病気があります。次のような特徴があります。
①渇望、とらわれ:ほとんどいつも薬のことを考えている、あるいはちょっとしたきっかけで薬のことを考え、欲しくなる
②コントロール障害:使い始めると自分の意志や計画でやめることが難しい、あるいはできない。使うこと、使うのを止めることを自分で制御できないこと。
③耐性:同じ量では最初に得ていた効果が得られなくなり、量が増えていくこと。
④離脱症状:使用するのが何らかの理由でストップしたときや、使用して時間が経過して薬の効果が薄れてきたときに現れるイライラ、そわそわ、落ち着かなさなど幅広い不快な感覚。薬の種類によっては離脱症状がみられないものもあります。
⑤最優先になる:薬のことが生活の最優先になること。生活が薬を中心にまわっていく。
⑥問題が明らかにあるにもかかわらず、続く:薬によってさまざまな現実的な問題が起きていることをわかっていても、使用をやめることができない。むしろ、さらに薬の使用がひどくなることもある。
⑦再発:しばらく使用が止まっていても、ストレスやちょっとした刺激で再使用が始まり、やめることが困難になる。
薬物依存症は回復できる病気です。
やめないといけないと思っていてもなかなかやめられないと苦しんでいる方、是非一度、ご相談ください。

アルコールで困っている方へ
アルコールも依存性のある薬物です。
人類は3000年以上前からアルコールを発見し、酔いを経験し、自らアルコールを作るようになりました。わが国では嗜好品として扱われていますが、アルコールほど心と体の健康にはじまり、人間の行動に有害な影響を与えるものはありません。
アルコール依存症には次のような特徴があります。
①渇望、とらわれ;ほとんどいつもアルコールのことを考えている、あるいはちょっとしたきっかけでアルコールのことを考え、欲しくなる
②コントロール障害;使い始めると自分の意志や計画でやめることが難しい、あるいはできない。使うこと、使うのを止めることを自分で制御できないこと。
③ 耐性;同じ量では最初に得ていた効果(酔い)が得られなくなり、量が増えていくこと。
④ 離脱症状;飲酒何らかの理由でストップしたときや、飲酒後時間が経過したときに現れるイライラ、そわそわ、落ち着かなさなど幅広い不快な感覚。ふだんよりひどく寝汗をかくとか眠りにくいのもこれです。アルコールが切れて手が震え、飲酒すると震えが止まるのもこれで、そうなると完全に身体依存になっています。
⑤最優先になる;飲酒が生活の最優先になること。人の意見を聞かないようにもなる。
⑥問題が明らかにあるにもかかわらず、続く;飲酒によってさまざまな現実的な問題が起きていることをわかっていても、飲酒をやめることができない。むしろ、さらに飲酒がひどくなることもある。
⑦再発;しばらく飲酒が止まっていても、ストレスやちょっとした刺激で再飲酒が始まり、やめることが困難になる。
アルコール依存症は回復できる病気です。
やめないといけないと思っていてもなかなかやめられないと苦しんでいる方、是非一度、ご相談ください。

ギャンブルで困っている方へ
『家族、友人、学業、仕事、趣味に費やしていた時間が減ってきた、家庭内の不和が増えた、言葉が乱暴になったり家で荒れるようになった、職場や学校を休むことが多くなった、お金の工面で悩むようになった、家の物を勝手に持ち出して売るようになった、借金するようになった、仕事上のお金を使い込んだ、自殺を考えるようになった』
こういうことが起きる背景にギャンブルの問題がないかどうか、調べてみましょう。ギャンブルをしていて、上のような状態が起きていれば「ギャンブル依存症」を考えなければなりません。表面に現れた問題だけに対処しても、原因であるギャンブル行動をなんとかしなければ、問題は繰り返されます。
ギャンブル依存症の診断は次のような基準があります。(DSM5)
熱中する | ギャンブルのことばかり考えている(例:過去のギャンブルを思い出したり、次にギャンブルするときのことを考えて予測したり計画したり、ギャンブルをするためのお金をどうやって得るかということばかり考えている) |
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掛け金が増える | 望んでいた期待感・高揚感を得るためにだんだんギャンブルにつぎ込むお金の額が増える |
イライラする | ギャンブルに行くのを止めようとしたり、行く回数を減らそうとすると落ち着かなくイライラする |
現実逃避する | 現実に直面している問題について考えようとせず、ギャンブルをする。あるいは問題から逃げるため、問題から起きる様々な不快な気持ちやストレスを解消するためにギャンブルをする |
負けを追いかける | ギャンブルで損をした後、その負けを取り戻そうとまたギャンブルをする |
嘘をつく | ギャンブルをやり続けるためであったり、ギャンブルをどれくらいしているのか、ギャンブルによって生じた借金を含めた諸問題を隠すために嘘をつく |
止められない | ギャンブルをなんとか止めよう、あるいは減らそうと努力するがうまくいかない |
犯罪を犯す | ギャンブルをする金やギャンブルで作った借金を返済するために偽造、詐欺、窃盗、横領などの犯罪を犯す |
生活を破壊する | ギャンブルのために大切な人間関係、仕事、教育を受ける機会を失いそうになる、あるいは失う |
借金する | ギャンブルによって破滅的になった経済状況を借金によって一時的に対処しようとする |
やめないといけないと思っていてもなかなかやめられないと苦しんでいる方、是非一度、ご相談ください。ギャンブル依存症は回復できる病気です。
もし、これに当てはまるかな?と思ったら、まずはご相談ください。

摂食障害で困っている方へ
食事の量や食べ方など、食事に関連した行動の異常が続き、体重や体型のとらえ方などを中心に、心と体の両方に影響が及ぶ病気をまとめて摂食障害と呼びます。摂食障害では、必要な量の食事を食べられない、自分ではコントロールできずに食べ過ぎる、いったん飲み込んだ食べ物を意図的に吐いてしまうなど、人によってさまざまな症状があります。
症状の内容によって、摂食障害は細かく分類されます。代表的な病気に神経性やせ症、神経性過食症、過食性障害があります。
摂食障害は10代から20代の若者がかかることが多く、女性の割合が高いのですが、年令、性別、社会的、文化的背景を問わず誰でもかかりうる病気です。摂食障害にかかると、心身の成長・発達と健康、人との関係、日常生活や、学業、職業などの社会生活に深刻な影響をあたえます。やせや栄養障害、嘔吐などの症状によって、身体の合併症をきたし、時には生命の危険がある場合もあります。
摂食障害の背景には親との関係や人間関係上の悩みが色濃くあることが多いです。逆に、摂食障害になることで円滑な人間関係を築けなくなってしまうこともよく見られます。
摂食障害の中でも特に過食と嘔吐には他の依存症と共通の要素が多く見られます。
もし、これに当てはまるかな?と思ったら、まずはご相談ください。

性の問題で困っている方へ
性的な対象や行動が、一般に正常とされる範囲から逸脱している状態。性的な空想や衝動を抑えることができず、そのことで本人に著しい苦痛や困難が生じ、他人に害をおよぼすおそれがあるものを性嗜好障害と言います。性嗜好障害には窃視障害・露出障害・窃触障害・小児性愛障害・異性装障害などがあります。具体的には盗撮、痴漢などがこれに当たります。
これらとは別に2019年にWHOが改訂した内容では強迫的性行動症という障害が新たに追加されました。具体的には不特定多数の相手との過剰なセックス、過剰なマスターベーション、過剰なポルノや性風俗店の利用などがこれに当たります。この診断基準の概要は次の通りです。
・強烈かつ反復的な性的衝動または渇望があり、制御に失敗している
・反復的な性行動が生活の中心となり、他の関心、活動、責任がおろそかになっている
・性行動の反復を減らす努力がたびたび失敗に終わっている
・望ましくない結果が生じているにもかかわらず、またそこから満足が得られていないにもかかわらず、性行動を継続している
・重大な苦悩、および個人、家族、社会、教育、職業、および他の重要な領域での機能に入内な問題が生じている
これらの性の問題は依存行動の要素が極めて大きいと考えられます。
もし、これに当てはまるかな?と思ったら、まずはご相談ください。

ゲーム・インターネットで困っている方へ
ゲームやインターネットをやり始めるとなかなか終われず、昼夜逆転、食事が不規則になる、引きこもり、遅刻・欠席・欠勤、成績の低下、課金による浪費・借金、家庭内窃盗、暴力、退学・退職など、様々な問題を抱えてしまうことがあります。
ゲーム障害は、2018年にWHOが病気として認定しました。その特徴として次のように説明しています。
①ゲームをすることに対するコントロールの障害
②ゲームに没頭することへの優先順位が高まり、他の生活上の利益や日常の活動よりもゲームをすることが優先される
③否定的な結果が生じているにもかかわらず、ゲームの使用が持続、またはエスカレートする。
ゲーム障害は他の依存症同様、脳に機能変化を引き起こしますが、10代の場合はこの年代の脳の特徴を無視しては対処できません。人間の脳は15歳でそれぞれ単独の機能は完成しますが、その後ネットワークを複雑に形成していく脳の成熟という重要な過程があります。脳の成熟は後頭葉から前頭葉に向かって進んでいき、前頭葉が成熟するのは28歳ころまでかかるとされています。10代の脳は抑制系よりも興奮系優位で、刺激に容易に反応し、シナプスを急増させるようにプログラムされています。衝動にブレーキがかかりにくく、先のことを見通すことが苦手です。ある意味、大人の依存症に近い状態が10代の脳だと言えます。さらに10代はホルモン分泌の劇的変動期で、性的な目覚め、自己の確立に向けた自我の目覚め、既成の価値観や大人の権威に対する反発、関係性に対する過敏な反応など、人生で最も激動の時期になります。これまでの親子関係が大きく変化する時期であると同時に、進学や就職等人生上重要な進路問題にも直面します。10代特有の状況を押さえたうえで、ゲーム障害の問題を考える必要があります。
成人の場合、課金のために借金を含む経済問題や失職など深刻な問題を引き起こしているケースが多く、10代とは違った対応が必要になることがあります。
もし、これに当てはまるかな?と思ったら、まずはご相談ください。

万引きで困っている方へ
お金を持っているのに万引きしてしまう、お金を払って買い物しようと思って店に入ってもいつの間にか万引きしてしまっている、何度警察に捕まっても万引きが止まらない・・・こんな行動の原因はクレプトマニア(窃盗症)かもしれません。
窃盗症は200年前から報告されていた疾患です。
クレプトマニアには診断基準があるのですが、窃盗症の実態を知らなければ多くの誤解や曲解を生んでしまうような、不備の多いものです。
クレプトマニアによる万引きは次のような行動様式が特徴です。
店に入って商品を見ているうちに、「今度捕まったら刑務所行きだ」とか「家族が悲しむ」とか仕事を失う」とかの現実的で理性的な考えが消え去り、商品と自分のみの世界に入ってしまいます(当事者の方たちは「スイッチが入る」と表現されることが多いです)。物を盗る衝動がその人を支配します。“捕まらないように”というのもこの行動様式の重要な要素のひとつですので、盗ったものを隠す等の工夫はしますが、次第に警戒心がマヒして無防備になることが多いです。万引きして捕まらずに店を出ても診断基準にあるような満足感や達成感はほとんど感じなくなり、「またやってしまった」という後悔が強くなります。
再犯を予防する最大の方法は診断と治療です。 クレプトマニアは依存症の一種ですので、きちんと診断して、行動を修正するための行動を続けることで回復が可能です。
万引きを繰り返してしまう人たちの大半がまだこのことを知らずに、知らされずに行動を修正できずにいるのが現実です。「なぜ自分が懲りずに万引きを繰り返してしまうのかわからない」「自分は人間ではないのではないか」「こんな自分がおそろしい」「コントロールできない自分がいつ出現するのか考えると怖くて外に出られない」と自分を責め、自殺を考える人も少なくありません。
万引きのことで悩んでいる方はぜひご相談ください。
To the individuals concerned当事者の方へ

依存症は一人で抱え込まず、まずはご相談ください。香川・えひめ・徳島ダルクでは、薬物、アルコール、ギャンブル、摂食障害、ゲーム、万引きなど、さまざまな依存症に対応しています。
一人で抱え込まず、まずは一歩を踏み出してください。専門スタッフが丁寧にお話を伺い、最適なサポートをご提案いたします。
あなたが前を向くためのお手伝いを、全力でさせていただきます。
To family membersご家族の方へ

依存症は当事者だけでなく、ご家族にも大きな影響を与えます。香川・えひめ・徳島ダルクでは、ご家族の悩みや困りごとにも寄り添い、共に解決の糸口を探します。
依存症の正しい理解を深めることで、回復への支援がしやすくなります。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
ご家族のサポートは当事者の回復を後押しする大切な力です。私たちがその一歩をお手伝いします。
家族会メリーゲート紹介
メリーゲートは、薬物依存症等の当事者を持つ、家族(親・配偶者・兄弟・恋人・友人等)の集まりです。主にミーティングやメッセージ活動を通して、同じ悩みを共有し、回復のプログラムとして取り組んでいます。
家族会メリーゲート制作の体験談
家族会メリーゲートが制作した家族の体験談です。
書籍紹介
お問い合わせ先
To related organizations関係機関の方へ

香川・えひめ・徳島ダルクでは、依存症に悩む当事者やご家族への支援を行っています。医療機関、福祉施設、司法機関、教育機関などの皆さまと連携し、一人ひとりに最適なサポートを提供することを目指しています。
依存症への理解を深めるための講演や啓発活動、他機関との情報共有も積極的に実施しております。
困難な状況にある方を共に支えるパートナーとして、ぜひご相談ください。
医療・福祉関係の方へ


司法関係(弁護士)の方へ

香川ダルクでは,被疑者・被告人となっている仲間に面会してミーティングを行い,情状証人として出廷する活動を行っています。詳細は,パンフレットをご覧ください。
行政関係の方へ


Book introduction書籍紹介
香川・徳島・えひめダルク、香川ダルク女性ハウス関連の冊子一覧
※全ての冊子データについて、無断複写・転載を禁止します。
依存症の問題にお悩みの貴方への必携書籍
書籍はAMAZON等、インターネット購入可能です。
*藍里病院 副院長、あいざと依存症研究所 所長 吉田 精次先生が著書・監訳された書籍もございます。

「CRAFT 依存症者家族のための対応ハンドブック」(金剛出版)
ロバート・メイヤーズ,ブレンダ・ウォルフ/著
松本俊彦,吉田精次/監訳, 渋谷繭子/訳
(本体価格)¥2,600

「CRAFT薬物・アルコール依存症からの脱出―あなたの家族を治療につなげるために」(金剛出版)
吉田 精次, 境 泉洋/著
(本体価格)¥2,400

「アルコール・薬物・ギャンブルで悩む家族のための7つの対処法 ― CRAFT ―」(アスクヒューマンケア)
吉田 精次, ASK(アルコール薬物問題全国市民協会) /著
(本体価格)¥1,000

「CRAFT依存症患者への治療動機づけ―家族と治療者のためのプログラムとマニュアル」(金剛出版)
スミス,ジェーン・エレン,メイヤーズ,ロバート・J/著
境 泉洋,原井 宏明,杉山 雅彦/監訳
(本体価格)¥3,800

「家族・援助者のためのギャンブル問題解決の処方箋―CRAFTを使った効果的な援助法」(金剛出版)
吉田 精次 /著
(本体価格)¥2,000